FXの注文方法―成行・指値・逆指値・OCO・IFD・IFDOCO

FXで取引するにあたって理解しておくべき注文方法を解説します。

とくに基本編は必ず理解しておきましょう。

応用編は相場を張り付いて監視することができない兼業トレーダーにとって、大変便利なので是非おさえておきましょう。

注文の種類

各種の注文方法を説明する前に、抑えておくべきポイントがあります。

まず、注文には買い注文と売り注文があります。注文の方向性を表します。

そして、注文には新規注文と決済注文があります。これは自分の保有状況によって決まります。

買い注文・売り注文

FXでは、買いと売りは同時に行われています。

このことに関しては、FXとは何か?FXの仕組みとFX市場の特徴を徹底解説で取り上げました。

1つの通貨ペアを2つの通貨が関わっています。

各通貨は通貨コードという3文字のアルファベットで表現されます。例えば、

  • アメリカドル: USD
  • ユーロ: EUR
  • 円: JPY
  • 英国ポンド: GBP
  • 豪ドル: AUD
  • カナダドル: CAD
  • スイスフラン: CHF

そして通貨ペアは通貨コードを組み合わせてた文字で表現されます。

ドル円だったらUSDJPY、ユーロ円だったらEURJPY、ユーロドルだったらEURUSDです。

この6文字の、左側の通貨がベース通貨右側の通貨がクオート通貨と呼ばれます。

USDJPYの場合、ベース通貨はUSD、クオート通貨はJPYとなります。

通貨ペアの買い・売りとはベース通貨が基準に決まります。

ベース通貨を買う場合は買い注文、ベース通貨を売る場合は売り注文となります。

USDJPYだと、買いとはドルを買って、円を売ることです。売りはその逆で、ドルを売って、円を買うことを意味します。

新規注文・決済注文

新規注文は自分がポジションを保有していない場合に、新たにポジションを取る注文です。

決済注文は自分が保有しているポジションを無くすための注文です。

決済注文には利確注文と損切り注文の2種類があります。

基本編

成行注文

成行注文はその時の値段で注文を行う方法です。

成行注文のメリットはすぐに約定すること。

すぐにポジションを建てたり、決済したい場合に有効です。

成行注文の注意点としては、正確にいくらで約定するのかがわからない点です。

相場の急騰・急落局面では予想外の値段で約定されることもあります。

これはFX業者の約定力に依存するところです。

しっかり調べてより良い業者を選んでください。

指値注文

指値注文とは、約定する値段を指定する注文方法の1つで、「今より有利なレート」で注文を出す方法です。

今より有利とはどういうことでしょうか?

FXの基本は、「安いレートで買って高いレートで売ること」です。

つまり、買いの場合は今より安いレート、売りの場合は今より高いレートが有利なレートとなります。

図のように買いの場合は、今より安いレートで注文を入れる、売りの場合は今より高いレートで注文を入れるのが指値注文になります。

逆指値注文

逆指値注文とは、指値注文と同様に値段を指定する注文方法です。

文字通り、指値注文の逆で、「今より不利なレート」で注文を入れるのが逆指値注文です。

つまり、買いの場合は今よりも高いレート、売りの場合は今よりも安いレートで注文を入れる方法ですね。

「今よりも不利なレートで注文を入れるなんてどういうときに使うのか?」と思われるかもしれません。

相場は思い通りにならない場合がほとんどです。

ポジションを保有している場合の損切りの注文として使えます。

応用編

基本編でFXで避けては通れない、成行注文・指値注文・逆指値注文を解説しました。

ここからは応用編です。

応用編の注文方法を駆使することで、相場を見続けることができない兼業トレーダーにとって心強い武器になります。

応用編で説明する注文方法も、基本的には指値注文と逆指値注文の組み合わせです。

まずは基本編をしっかり理解して、応用編の注文方法も理解しましょう。

OCO注文

OCO注文とは、One Cancels the Otherの略です。

2つの注文を出しておいて、1つの注文が約定されたら、もう一方をキャンセルするという注文方法です。

新規注文、決済注文の両方で使うことができます。

また、指値注文でも逆指値注文でも組み合わせることができます。

様々なパターンがあるのですが、よく使う例を見てみましょう。

相場がどう動いても決済できる決済注文

ポジションを保有している場合に、相場がどっちに動いても自動で決済するように注文をいれておくことができます。

買いでポジションを持っている場合に、売りの指値(利確)と売りの逆指値(損切り)を入れます。

特に相場を見れない場合などは、この注文を入れておくことで、損が大きく膨らんだり、利益を逃したりすることを防ぐことができます。

IFD注文

IFD注文は、If Doneの略です。

新規注文と決済注文を同時で入れる注文方法です。

いくらになったら新規で買って、もしその新規注文が約定した場合、決済注文を発動させることができます。

例で見てみましょう。

デメリットは、決済注文を1つしか入れられない点です。

つまり、新規注文がされたあと、利確の注文をいれておくか、損切りの注文を入れておくかのどちらかしかできません。

このデメリットを補うのが、次に説明するIFD-OCOの方法です。

IFD-OCO注文

IFD-OCOとはIFD注文の発展版で、新規注文と決済注文を同時で入れる方法である点は同じなのですが、

新規注文が約定した場合に、決済注文を指値注文、逆指値注文の2つを発動させることができます。

いくらで新規買い注文を入れ、新規注文が約定した場合に、利益確定の決済売り注文と損切りの決済売り注文が一度に出せます。

IFD-OCOを駆使することで半自動で取引をすることができます。

特に相場に張り付くことができない兼業トレーダーにとっては大変便利な注文方法となっています。


各注文方法の解説をしました。

覚える必要は全くありません。まずはどういうものか理解をした上で、こういうトレードがしたいとなったときに折を見て振り返ってみてください。