テクニカル分析の基本を解説します。
テクニカル分析は有効性に欠ける部分もあるため、勉強や知識をつけることに必要以上に時間を使わないことを推奨します。
この記事では「テクニカル分析とはどういうものか」や、どんな使い方がされているのか、テクニカル分析の有効性に対する批判を紹介します。
Contents
テクニカル分析とは
テクニカル分析とは過去の価格・チャートから将来の価格を予測するための分析手法です。
数多くのテクニカル指標が存在します。この記事ですべてを紹介するのは不可能なので、代表的なものを紹介していきます。
テクニカル分析は
・すべての事象は価格(チャート)に織り込まれる
・過去と同じパターンは繰り返される
よって
「過去のチャートを分析することで将来の変動を予測できる」
という前提で開発されてきました。
メリット
テクニカル分析のメリットは
・視覚的にわかりやすいこと
・判断基準が明確になること
です。
テクニカル指標はチャート上に描画でき、視覚的にわかりやすいのが特徴です。
例えば、2本の線がクロスしたら売る、買うなどの売買基準を構築することができ判断基準が明確になります。
デメリット
テクニカル分析は過去の価格から将来の価格を予想するという性質上、値動きが出てからテクニカル指標も反応する形となります。
テクニカル分析に基づいて売買の判断を行うと、必ず遅れがでます。
特に動きの早い相場は遅れが顕著になります。
テクニカル分析にはどんな種類があるの
テクニカル分析はどのような種類のがあるのでしょうか?
大きく3つに大別し、有名なテクニカル分析を紹介します。
下に記載したのは、あくまで一例です。同じテクニカル分析でも、それぞれの人で見方・使い方が違います。
トレンド系 – トレンドの方向性を判断し順張り
トレンド系のテクニカルは相場のトレンドの方向性を判断するためのテクニカル指標です。
代表的なテクニカル
・移動平均線
・ADX
・パラボリック
オシレーター系 – 相場の過熱感を判断し逆張り
オシレーター系のテクニカルは、相場の売られすぎ・買われすぎを判断するためのテクニカル指標です。
トレンドの転換の見極めや、レンジでの逆張りに使います。
代表的なテクニカル
・RSI
・ストキャスティクス
・MACD
ボラティリティ系 – 相場の変動幅をはかる
ボラティリティ系のテクニカルでは、相場の変動幅を図ります。
ボラティリティをもとに、利確・損切りポイントの決定、ロットサイズの決定に使います
代表的なテクニカル
・ATR (アベレージトゥルーレンジ)
・ボリンジャーバンド
・HV (ヒストリカル・ボラティリティ)
テクニカル分析を使わないのもアリ
「テクニカル分析って効くの?」って思う方も多いのではないでしょうか?
テクニカル分析に対する批判を一部紹介します。
テクニカル分析は無意味?
ランダムウォーク理論はご存知でしょうか?
ランダムウォーク理論とは価格の値動きについての「予測の不可能性」を説明する理論です。
ざっくり言うと将来の価格は過去に全く関係なく決まるという理論です。
テクニカル分析は過去のチャートやパターンから将来価格を予測するものです。
この理論を前提とするとテクニカル分析は全く無意味なものといえます。
FX市場においては、完全にランダムウォークしているとは言えないけど、変動の大部分がランダムウォークであるという捉え方が妥当だと考えています。
テクニカル分析は個人的な指標に過ぎない
マーケットにおいては、みんなが注目するものは変動要因になりえます。
例えば、毎月第一金曜日に発表される雇用統計は世界中のトレーダーが注目しています。
世界中のトレーダーが雇用統計の結果に注目し、その結果によってトレードを行うからこそ、変動の要因になり得るわけです。
一方、テクニカル分析は種類が様々で、かつ、パラメータも含めると無数の組み合わせが存在します。
世界中のすべてのトレーダーが見て、売買判断を行っているテクニカル分析があるとしたら、それは変動要因となるでしょう。
しかし、それぞれのトレーダーが設定しているテクニカル分析はそのトレーダーしか見ることができず、だれもが注目している変動要因とはなりえません。
オススメできるテクニカル分析
テクニカル分析だけを基準に売買するのはオススメしません。
テクニカル分析だけを組み合わせて機械的に売買判断を行う方法では継続的にリターンをあげるのは不可能であると考えています。
とはいえ、用途によってはある程度使えるとは思えるものを紹介します。
それは
・移動平均線
・ATR (アベレージトゥルーレンジ)
・サポート・レジスタンス
です。
サポレジはテクニカルというのかは微妙ですが、この3つの使い方は抑えておくと、
トレードの幅が広がる、もしくは、適切なトレードができるようになります。
個人的には、テクニカル分析には必要以上に深入りせず、ファンダメンタルズ分析を勉強する方が断然良いと思います。
以上、テクニカル分析とその種類の解説でした。